NST・栄養療法で使う医療用栄養剤の違いとは?選択理由を解説!前編

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NSTで実際に使用される医療用栄養剤について説明していきます。

よかったら読んでみてください。

医療用栄養剤の分類

様々な種類の医療用栄養剤がありますが、それらは半消化態消化態成分栄養に分けられます。これらはタンパク質の形態に違いがあり、半消化態はタンパク質、消化態はジペプチド、トリペプチド、成分栄養はアミノ酸からなり、消化のしやすさが異なります。アミノ酸は消化不要、ジペプチド、トリペプチドはほとんど不要、タンパク質は消化必要ですが、消化が必要なものほど腸管の消化機能を必要とするので、腸管の粘膜を正常に保つことができます。よって、基本的には半消化態を使用して消化吸収に問題がある場合や腸管に病変がある場合は消化態や成分栄養を選択します。

成分栄養

・エレンタール

脂肪をほとんど含まないので単独での長期栄養管理はできません。浸透圧が高いことによる浸透圧性の下痢を起こすことがあります。その場合は溶かす水の量を調整する必要があります。水の量によって浸透圧がどれくらいになるかはインタビューフォームに情報が載っています。おいしくないのでフレーバーを使用したり、ゼリーにしたりして工夫することが必要です。ビタミンCが熱で分解されるので高温の水で溶解することは避けるべきとされています。経験的にエレンタール1包にフレーバー1包では甘すぎると患者さんから言われることが多かったので0.5包くらいがちょうど良いかなと思います。コンソメフレーバーは温めて服用する場合に合うそうです。フレーバーの人気ランキングは青リンゴ、ヨーグルト、グレープフルーツが上位です。

消化態

・ツインライン
半消化態の栄養剤を使用しても下痢などのトラブルが解決できない場合に使用を考慮します。しかし浸透圧が半消化態よりも高いので浸透圧性の下痢に注意が必要です。添付文書上、経口も可能です。一度だけ少量飲んだことがありますがおいしくなかった記憶があります(期限が切れていたせいかもしれませんが)。

半消化態

・アミノレバン
肝不全用栄養剤でBCAA豊富です。BCAAとは、分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid)のことで筋肉に多いアミノ酸です。筋肉のエネルギー源としても利用され、体のタンパク質を増やす働きがあると言われています。筋トレの直後に摂取すると効率的に筋肉を増やすとも言われています。アミノレバンは肝不全用栄養剤ですが、肝不全の人の栄養管理は気をつけなければいけないことがあります。肝不全ではグリコーゲンの合成能が低下しているため、夜間の短時間の絶食でも健常者の数日分の絶食に相当します。それを補うためにLES投与(Late Evening Snack)が推奨されています。実際にLES投与は三大栄養素のバランスが良く消化の良い200kcal程度の食事が良いとされているのでアミノレバンはLES投与に最適と思われます。

今回はここまで。アミノレバン以外の半消化態は内容が長くなるので次回にします、すいません。
ありがとうございました。
続きは次回。

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