病院勤務9年目の薬剤師です。これまでに僕が業務効率を上げるためにやってきたこと、これからやろうと思っていることを紹介します。他施設で働く方の参考になれば嬉しいです。
今回は採用薬の変更をすることで業務効率を上げる方法です。世の中には数多くの医薬品があり、同じような薬でも採用薬の剤形や規格を変更することで業務効率を上げたり、業務量を減らしたりすることができます。具体的にこれまで採用変更してきた薬を紹介します。
ビタメジン
ビタメジンは点滴と一緒によくオーダーされ、看護師が毎日溶解・混注し場合によっては遮光袋の使用も必要とします。後発品もありません。当院では医師に情報提供し、ビタメジンではなくネオラミン・スリービーの後発品を使用してもらっています。変更することでビタミンB1の含有量が低下しますがそれを気にする医師はいませんでした。液体なので溶かす手間がなくなり、薬価が安くなり、遮光袋も不要となりました。1つ注意点があるとすれば、ネオラミン・スリービーはビタミンCと混注できないことです。これも医師に情報提供することで、ビタミンCと一緒に投与する場合はビタメジンを使用してもらっています。この変更により看護師の混注業務はかなり楽になりました。
オザグレル
脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善に対して1回80mgを1日2回使用されるので脳神経外科からよく指示が出る薬です。年齢、症状に応じて稀に減量されますがほぼ80mgで指示が出ます。にもかかわらず、当院の採用はずっと40mgバイアルでした。それを80mgシリンジに変更したことで薬価が安くなり、溶解が不要となりました。
パンテチン
これまでなぜか当院のパンテチンの採用は散しかありませんでした。そのため、持参薬でパンテチン+酸化Mgがあってもその継続はパンテチン散+酸化Mg錠で処方されてしまう状態でした。これでは散剤調剤が手間であり、患者さんは薬の管理が手間になっていました。そこでパンテチン錠を採用追加してもらい、これらを解消しました。
今後採用してほしい薬、採用されなかった薬
メジコン錠
今はメジコン散のみの採用です。今さらではありますが、簡易懸濁法の導入も見据えて錠も採用追加してほしいと思っています。
ビーフリード1L
おそらく多くの施設では500mLのみの採用ではないかと思います。500mLを2本使用するよりも1L1本で点滴交換の手間も省けて薬価が抑えられます。外科の周術期パスで導入できたらと思いましたが、高齢者で点滴量を減らす場合などに不向きという理由で断念しました。
セフメタゾール1gバッグ
外科周術期パスでセフメタゾール1gバイアルが使われ、院内で1g以外の指示がほとんど出ないのでバッグ製剤への変更を検討しています。現時点では供給不安定なので採用変更できていません。
タゾピペ2.25g
当院はタゾピペの採用が4.5gのみで、腎機能低下者には0.5Vで投与しています。溶解の手間や薬価を考えると2.25gの採用追加が望ましいので採用追加の提案をしています。
スルバシリン3g
当院はスルバシリンの採用が1.5gのみで、腎機能低下者に対して稀に1回1.5gで使用されることはありますがほとんどは1回3gです。1.5gを2Vよりも3gを1Vの方が薬価が安く溶解の手間も少ないので3gに採用変更してほしいと考えています。
50%ブドウ糖液20ccシリンジ
当院は20ccのプラスチックボトルを採用していますが、すぐに使用したいことを考えればシリンジタイプの方が良いです。
ミヤBM錠
当院は細粒のみの採用でしたが、処方全体の中でミヤBMのみ細粒ということがよくありました。ミヤBMも錠剤があれば他と一包化ができて患者さんの服薬管理も簡単になるはず!よく処方される薬なので剤形が2つあっても期限切れの心配はないでしょう。
上記のように、よく出る指示の採用薬を見直すことで業務効率を上げることができます。もし変更の余地があれば、検討してみても良いのではないでしょうか?
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